POETRY


「戻れない夏」

作:あおぞらそらた


僕らは

戻れない夏に恋をして

そっと心の扉を開いては

いつもいつも

切なさの向こう側に夢見てる


祭りのお囃子や

風が連れ出した風鈴の音色

さらさらと流れる灯りのとりどり

暮れた夕空に

軽く鳴らす下駄音(げたおと)


そうして

戻れない夏に恋をして

いつか来る日を信じてる


それでも

ここから歩いた少し先

戻れない夏があるような…

いつもの坂道の草陰に

あの日を 探してる


©あおぞらそらた